その歌声で多くの人を魅了してきた紘毅がALIVE初登場 一人のシンガーソングライターとして。前川清の息子として。 10数年のキャリアの裏にある心情を激白。
■やはり小さい頃から音楽が身近で紘毅さんが音楽を始める事は必然だったと言えそうですか?
いいえ。逆に家では鼻唄も歌わないような父だったので決して身近にはなかったです。中学時代にバンドに誘われたことがきっかけなので始まりは偶然です。
■お父様は家族でもあり、同業者でもあり、ライバルでもあると思うのですがシンガーソングライターとして活動していくことにお父さんの最初の反応はいかがでした?
悲しいくらい無反応でした。笑 別に好きにすればいいじゃないかと。今となれば好きにできたのでありがたかったなと。
■2006年10月に「カエデ」でメジャーデビューを果たしました、そのきっかけともなったオーディションは紘毅さんにとって大きな転機だったわけですが、このオーディションに応募したきっかけはどんな事だったのでしょうか?
友達が受けたので一緒にきてと言われて参加しました。音楽には興味があったのですがあまりにも急だったので何が起こったのかわからずで。その時はシンデレラストーリーがはじまったー!と思いましたが、それがピークでしたね。笑
■メジャーアーティストとして活動していく中で2009年に前川清の息子である事を公表したのも転機の一つだと思うのですが、どうしてこのタイミングでの公表だったのでしょうか?
一言でいうとクビになりそうだったからです。公表するつもりはなかったのですが自分の力不足で結果がついてこず、必死に頑張ってくれるまわりの人たちを見てもう断れなくなってしまって。
■公表で紘毅さんの周りに変化はありましたか?プラスになる事ももちろんあると思うのですが、逆の苦労もあったのではないですか?
当時は何一つプラスではなかったです。いや、本当は全部プラスだったんですけどそう思いたくなかったですね。ゴールデンの番組にもそこから呼んでもらえて。いま思えばありがたいのですが、あの頃は自分の名前ではなく『息子』と言われる事が嫌で眠れませんでした。
■アーティストネームを前川紘毅から紘毅にした理由とは?
そんな気持ちを降り切らないといけないと思って。あと、僕だって名前で呼んでほしくて。笑 冗談のようですがその気持ちがほとんどですね。
■今年の秋でデビュー13年を迎えるわけですが地に足をつけて長く活動するために気をつけていることはあったりするのでしょうか?
感謝することですかね。まだまだたった13年ですが、ここまで一人で歩いてきたわけじゃありません。僕なんかがのこのこ歩ける場所でもないですし。いろんな人たちをから応援されて支えられて歩かせてもらってます。なので、せめて自分からやめない。それだけを思ってます。
■20歳でデビューした頃と今ではやはり歌いたいことは変わってきましたか?
当時は自分で曲も書けなかったので全く違います。当時は必死に納得して歌い、今は思ったことを歌い。誰かの言葉を伝えようと歌っていた当時の方が逆に感情的に歌っていたのかな。
■キャリアの中で印象に残っている出来事ってどんな事でしょうか?
デビュー前から数年間ストリートライブを週三回続けていた頃の事は忘れませんね。それがあるので今どんな会場でもどれだけチケットが売れなくても、屋根があって一人でもいてくれることだけで頑張れます。笑
■妹さんがDireWolfでメジャーデビューしましたね?紘毅さんはどのように妹さんを応援しているのでしょうか?
前川清の次は大変だぞーと。笑 誉めてくれないんでね。バカにされてけなされて。それに負けずに頑張ってほしいです。親父なりの愛情なのできっとそのうちありがたいなって思えるので。
■一家に3人のメジャーアーティストという音楽一家な訳ですが改めて紘毅さんにとって前川家って?
変な家族です。笑 メジャーアーティストと言っても売れていなければただの歌い手ですし、三人のうちの一人しか成功してません。なのでここからもう一人でも頑張って結果を残せたら胸を張って音楽一家と言えるのかなと思います。
■4月で平成も終わります。新しく変わっていくこの日本でアーティスト紘毅としてこれから一番伝えて行きたい事ってどんな事なのでしょうか?
この数年で色んな事が変わり、日常でも言ってはいけないことが日々増えていっています。だけど音楽って言うのは僕にとっては独り言です。同じ気持ちになった人が口ずさんでくれる歌を歌いたいです。こんな時代だからこそCDの中ではハッキリ言いたいことを言いたいですね。
■紘毅さんにとって前川清とは?
きっと皆さんにとっての家族と同じです。ただの父親です。
■そして紘毅さんにとって歌とは?
なんですかね。ノートですかね。答えが載ってなくて自分でどんどん書いては次のページをめくって。けど次の日は戻って消したりして、それがどんどんたまってくのかなと。説明するところがダサいですね。笑
■ありがとうございます。最後に読者の皆さんにメッセージをお願い致します。
日々精一杯歌っています。仕事、恋愛、友達。いろんなことで忙しいみなさんがふとしたときに笑ったり涙したくなったりするBGMのような歌を歌えたらと思っています。疲れたらちょっと耳を傾けてみてください!
(2019.03 紘毅特別号掲載)
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